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コラム

六段受験記(その2)

2018.05.19

(その2) 機転がきいた受験日の朝
 12月17日(日)、6:00起床。冷蔵庫を開けると、ドアポケットに入れておいたお茶が凍っていて、ホテルの冷蔵庫ではありがちのことなのだが、
 「えっ、それじゃあサンドイッチとおにぎりは?」
 慌てて取り出すと、どちらもしっかり凍っていて食べられたものではない。
 さて困ったが、電気ポットを見て閃き、お湯を沸かしてマグカップと洗面所のコップに注ぎ、その上にサンドイッチとおにぎりを袋のまま置いてみる。
 湯気でなんとか食べられるくらいには解凍。我ながら機転に感心し、
 「これなら今日の特昇は受かるかも」
 と、根拠のない自信を持つ。
 荷物をまとめて7:25過ぎに部屋を出る。ちょうどエレベーターに人が乗り込んでいるところで、
 「すいません」
 と、乗せてもらうと、ドアの開きボタンを押してくれていた男性から、
 「河原井さん」
 と、声を掛けられる。見れば築地道院の中村先生。
 「河原井さん、今日は特昇ですか?」
 「はい、六段を受けます」
 「そうですか。ウチも四段を二人受けるので、付き添いで着いてきました」
 言葉を交わすうちに1階へ。
 鍵を返してチェックアウト。すでに待っていたタクシーに乗ると運転手さんが、
 「多度津の少林寺さんまでですね。チケットはありますか?」
 「いいえ、無いですけど」
 「アパホテルでチケットを貰えば、1,600円で済みますよ。普通だと2,000円近くかかりますからフロントで貰ってきた方がいいですよ」
 言われたとおりフロントに戻ってチケットを貰う。親切な運転手さんだった。
 7:50には本部到着。先に着いていた築地道院一行が建物をバックに写真を撮っている。
 「皆んな初めての本部なものですから」
 と、中村先生。こちらは飽きるほど来ているが、これまで写真でしか知らなかった人たちには新鮮なのだろう。
(つづく)
十八代 河原井敦