2023 水面下進行していた十字架

最近クルマを購入しました。新車と言えば新車なんですが、
正確には「未使用車」です。
以前から「未使用車」のノボリを立てているお店を見かけては
いましたが、どういうモノなんだろうとずっと疑問でした。
知人に訊くと、「展示車を売っている」との回答でしたが、
それにしては、えらい台数が並んでいます。オートバックスの
店舗とかにもよく展示されていますが、これらをかき集めるのも
大変な労力です。半信半疑でした。いざ「ご来店」して色々
質問して、ようやく理解できました。

(1)メーカーから新車を購入する。当然登録が必要になるので、
自社/社員の名義とかを利用して実施する。
(2)店頭に並べる。
(3)売れたら名義変更してちょっと整備とかして納車するだけ。
(4)つまり未使用車=1回登録したクルマとなる。
通常であれば、新車は契約後1カ月くらい待つのも普通です。
ディーラーにて客のオーダー(オプション指定)を受けて、それに
従って生産します。つまり受注生産的側面を持ちます。
私の感覚では、普段からヤマほど作ってんだろうからカネさえ
払ったら2〜3日くらいでサッと持ってこいよこのウスノロ! と思って
いましたが、どうも世間では違うみたいです。
店からすれば、ガンプラやゲームと同じ感覚で買いに来んのヤメロ!
って感じでしょうか。

世の中のどこで、またどんな事情でそんなにたくさんの未使用車が
発生するのか不思議でした。今回のことでやっと仕組みが理解できました。
新車買おうと思い立ったけど、待てない、速攻での納車を求めるような
セッカチさん達をターゲットとしたビジネスモデルということみたいです。
私の場合は2週間程度での納車でしたが、1週間とかのケースもザラみたいです。

車検は1年でした。通常2年だと思っていたのでどういうことかと尋ねたら、
「2021年登録だから」との回答。?いや、そりゃそうなんだろうけど…
一瞬考えて意味が分かりました。登録後丸々1年間も在庫として店舗に
眠っていたということです。
担当の若い店員は、色々と話がかみ合いませんでした。自分の家の
ことを「ご自宅で」とか言っていました。
書類を取ってくる際に、お飲み物を勧められて「緑茶」を指定した
ところ、あちらにあるサーバにカップをセット、注がれている間に自分の
デスクから書類を出して、戻る頃には自分でセットしたカップの存在を
(案の定)忘却、お茶は出ずに本題に入られました。言いましたが。
特にお色には拘らないけど選択肢を見て考えたい、と伝えましたが
この車種の在庫はシルバーのみと言われました。今思えば、他にも
あったんだろうなと考えています。向こうの都合で買わされた感が
悔しいです。「思うのがなければ他行くだけ」というポーズを(嘘でも)
示すべきでした。

見積もり内容を見ていると、「搬送費用1.6万円」とありました。
そのシルバーは(同じ)所沢市内にある別店舗から運搬するからとのこと。
納車当日、どっちの店舗に行こうが電車代はいくらも変わらないはず。
「そっちの店舗に出向くので搬送不要」と言ったところ、0円にするので
ぜひ当店舗での納車とさせて欲しいとのこと。
最初からそこに置いてあるんじゃないのかと疑いました。それとも
どうしても搬送プレーしたい事情があったのでしょうか。
今思えば、この点について(だけ)は勝った気がします。

担当は若いせいか、どうも今ひとつ信用なりません。間抜けだし説明も
覚束ないし、会話も何かかみ合わない印象でした。タコヤロー!と思う
局面もいくつかありました。
納車前日に、駅から離れているので店までどう行くのがいいか(バスとか)
電話で質問したところ、さすがにお迎えのクルマを出すとの回答。
そっちから事前に言い出せよと思いました。

ナビ自体はサービス(プレゼント)だけど、工賃がかかると言われました(３万円!)。
正直、ナビはiPad/iPhone があるから要りません。
テレビ機能があるのはいいのですが、ワンセグ…
もしくは、「オーディオディスプレイ」という選択肢もありました。
iPhone との連携機能があって画面表示も操作も可という仕様
には惹かれました。何年か前にアップルが発表した当時は「iOS in
the car」とか言っていました。正式には car play 。
やった自分のクルマにも(遂に)装備される!とワクワクしました。
展示品で実際に自分のiPhone を接続したところ、そこはかとなく精細を
欠く画面表示、操作もっさり(画面遷移ウスノロ仕様)、また思っていたよりも
機能限定… おまけにiPad だと認識不可。これを開発したスタッフは
ウスラなんだと気がつきました。これ見て瞬時に興味がなくなりました。
まぁ、実情はアップルがそこまでしか協力しなかった為と推測します。

やっぱりアップル互換の他社デバイスは無意味です。
また、プレゼントなどと謳ってはいますが、このデバイス自体もおそらく
工賃に含まれているのだろうと直感しました(騙されません)。
お得感はビタイチなので、見積もりから速攻で除外しました。

アップルの互換機と言えば思い出すことがあります。
はるか昔アップルは、Mac 互換のパソコンを他社にライセンスしていたことが
あります。要はPC/AT 互換機みたいな感じでアップル以外がMac OS の
製品を出していました。当時の私は、え…誰が買うの?と思って見ていました。
Mac 欲しいと思ったら、そりゃアップルから買うだけでしょう。
案の定、ジョブズ(のアップル復帰後)に速攻で廃止されました。
ジョブズは、iPod すらwin 対応するのを当初渋りました。
結果論ですが、セールス的観点からはあり得ない選択でした。

似たような話で、プリウスのOEM で「メビウス」というクルマが
あるそうです。これを知っている人に会ったことがありません。
OEM だから、おそらくエンブレム以外は全て同じ仕様かと思います。
どこのメーカーが出しているかも(興味ないので)私は知りません。
これも不思議で仕方ないです。購買層が想像つきません。
普通に考えて、購入しようと思ったら「本家」一択としか思えません。
「トヨタ嫌いのプリウスファン」を狙うのでしょうか。
メーカーが何となくで出した? 本家より幾分安い? 本家より納車が早い?
(逆に)本家の方を知らなかった? OEM の意味は知らんけど、響きが(e)?
みんなと同じ(エンブレム)は嫌だ? (エンブレムだけでも)多様性を
求める人々? (逆に)希少性が高いから? 本家を超える付帯サービスに期待?
意外と色々思いつきました。我ながら流石な気がします。

ということで、かなり話を逸らしました。(実質)新車購入の楽しい気分で
話を進めたいところでしたが…
ナビもオーディオディスプレイ(プレゼント)も切り捨てた私に待っていた
「末路」をご覧下さい。これです↓

…
…
そうです。しっかりと、かつポッカリと穴があいています。配線見えています。
今まで同類のクルマを中古で3台乗りましたが、それらすべてにおいて
ここにはラジオがはまっていました。私の人生でここに配線見えたことはありません。
納車後、意気揚々と乗り出して10分くらいはその「所業」に気づきませんでした。
曇り空で車内はやや暗く、真っ黒だったので、そこには当然フタがはまって
いるものと思っていました。
そりゃ(プレゼントの)ナビもオーディオも不要(ゴミ)と判断した私は、
店からすれば「想定外の客」だったかも知れません。
「そんな奴いる?」と焦ったのかも知れません。
だからと言ってこれはあんまりです。
「中古(やラジオ)相手に、オレのは(実質)新車ですら負けるのか…」OTL
プラ板とセメダインでピッタリ合うフタは自作できる、塗装もできる、
と考えましたが、ちょっとした力で割れてしまいます。
思えば、店お勧めのメンテパックも削りました。これには「7年間オイル
交換無料」サービスが入っていたので惹かれました。よくよく確認すると、
オイル交換の際には、わざわざ所沢か川越に行くことになります。
私の場合は毎月になってしまいます。

これらの点で、店側の想定外の選択をした私への報復措置として「こんな所に
穴ポッカリ」が施工されたのでしょう。おそらくここには、当然のように
ナビ画面がはまっていたはず。それをわざわざ手間かけて引っぺがして、
おまけに工賃も取れない… → 怒! という流れなのかも知れません。
まさか(実質)新車でこんな事態があろうとは。
今私の精神状態は、この大きな十字架(穴)を一生背負って生きていくのか…
と打ち拉がれた感じです。夏くらいまでは引きずる気がします。

最後に、私がここ5年くらいずっと考え続けてきた疑問を紹介して終わります。
(一般的に)カーナビにおいて、「目的地を音声入力できる製品を見た/聞いた
ことがない」ということです。
この一点において、私はカーナビは只でも要らないくらいです。
スマホに駆逐される運命だと思うからです。そのスマホですら、時計とか
メガネとかに包含されてなくなるかも知れません。
ナビをもらった直後、速攻でヤフオクに出してもいいなら欲しいです。
スマホのナビアプリでは、音声入力は昔から普通にできています。カーナビに
マイク付けるくらい(物理的には)簡単だと思うのですが。
法的規制とかの問題かと思いましたが違うようです。誰に訊いても分かりません。
件のクルマ屋さんの若者も答えられませんでした。
若い男にスラスラ回答されても逆に腹立てたとは思いますが…

数年間の熟慮を重ねた結果、私はとうとうひとつの結論に辿り着きました。
同じ見解を持つ人と出会うことはあるのでしょうか。
今後も探し続けてみたいです(勿体つけて終わり)。